今回は臨床現場で多く受ける質問をご紹介していきましょう。
〇ボトックス注射と美容鍼灸の併用は可能でしょうか?
はい、基本的には可能です。ただし注意が必要です。
主に眉間のシワ取りなどに用いられるボトックス注射。
以前より価格帯もお手頃になり
受けられたことがある方も多いと思います。
美容鍼灸との併用は基本的には可能ですが
その相性はあまりよくはありません。
ボトックス注射は
ボツリヌス菌から抽出したタンパク質を
シワ等が気になる部位の筋肉に注入して
筋肉を一時的に麻痺させることでシワを解消する外科施術です。
外科施術と言ってもメスで切開したり
麻酔をしたりするわけではないので
近年では「プチ整形」として
多く多用されるようになってきました。
気軽にシワを軽減することができるボトックスですが
その効果は施術医師の技量や経験がものを言います。
というのも表情筋の動きは我々が考えている以上に複雑で繊細。
表情ひとつ作るのにも複数の筋肉が連動して動き
その収縮加減なども調整を把握できるものではありません。
事実、ボトックスは”スポックブロー”と呼ばれる
眉毛外側過度挙上な状態になる可能性があるリスクも存在します。
↑眉毛外側過度挙上状態とは、上記画像のように
眉毛がいわゆる釣り目のような内側が下がり、
外側があがる状態に常になってしまうことを言います。
また、これ以外にも表情の喪失や不自然な笑顔の形成など
誤って注入量を多くしてしまうと予想しない状態にもなりやすいのです。
しかし、筋肉を直接麻痺させ動きを減らすことができますので
表情シワなどには特に効果的ですぐに効果も実感可能です。
話を戻しまして、
美容鍼灸とボトックスとの併用ですが
施術は可能ですが相性はあまりよくありません。
その理由として鍼を打った部位というのは
免疫の影響で血流が増し、
代謝物質や疲労物質を多く流す作用があります。
通常ならばこの効果で美白効果やくすみ除去、
ターンオーバーの促進などがおこるのですが
ボトックスを注入した部位では
このボトックスの成分も過剰に排出してしまうのです。
つまり、ボトックスの効果が早く消失してしまいます。
ボトックスの一般的な持続時間は3ヶ月~4か月程度とされていますが
この持続時間が短くなってしまう可能性がある為、
ボトックスと美容鍼灸を併用する場合
ボトックス注入個所を避けながら美容鍼灸を行っていく必要があります。
逆に上記に挙げたスポックブローの状態になってしまった場合
美容鍼灸で早く元の状態に戻すことも可能ではあります。
当サロンでも以前ほどではありませんが
スポックブローになってしまった為に
不自然な表情を余儀なくされ、
その改善に美容鍼灸を行っていた時期もありました。
美容鍼灸では
リスクもなく安全にシワを消し去ることは可能です。
しかし、来週までにシワを消したい場合など
時間をかけずにすぐに消しさりたい場合は
ボトックス注射を選択された方がすぐに結果を得られます。
美容鍼灸ではシワを形成している
・筋肉の治療
・真皮層の治療
・表皮の治療
・心理的な治療
のすべてを同時に行っていきますのでボトックスに比べれば時間がかかります。
しかし、リスクなくシワを消したいという方は
美容鍼灸を選択された方が良い結果を得られる可能性は高いです。
そんなシワにも有効な美容鍼灸の詳細はこちら↓
まとめ
〇美容鍼灸とボトックスの併用は可能
〇ただし、ボトックス注入個所は避けて行うことが望ましい
〇急ぎでなければボトックス注入後3ヶ月以上は空けた方が良い
〇スポックブローの改善に美容鍼灸の選択というのもあり
〇美容鍼灸でも改善可能だがボトックスよりは時間がかかる
補足
ボトックス注入部位を避けることで
美容鍼灸の施術は可能ですが、
美容鍼灸では身体の治療も行うために
全身および顔面部の血流量が非常に増大します。
なので、注入個所を避けたとしても
ボツリヌス菌の排出は少なからず早くなりますので
スポックブローの改善など
どうしても早くしなければならない理由がない限りは
注入後3ヶ月以上は空けることをお勧めいたします。
コメントを残す