女性の悩みで多い「くすみ」
中でもなんだか肌が黄色くなってきていると感じるならばそれはカルボニル現象による「黄くすみ」の影響かもしれません。今回はカルボニル現象について解説していきましょう。
そもそもくすみって?
くすみと言っても実際にくすみを理解されている方って案外少ないのですが、「肌に透明感がなく、明るさや艶が感じられない肌状態のこと」をくすんでいる状態と一般的には定義されます。また、普段聞く用語としては、コントラスト比、反射率という言葉でも表現されることも多いです。例えば下記のような女性の写真であれば向かって左側がくすんでいない状態、向かって右側がくすんでいる状態です。
くすんでいない=透明感があるという意味にもなり、光を反射し透き通るような印象を与えることができます。逆にくすんだ状態では全体的に淀んだような印象となってしまい、疲労感や不健康なイメージを与えてしまいます。
なぜ、くすむ?
ではなぜ肌はくすむのかということに触れていってみましょう。まず前提としてに我々の肌はくすまないような仕組みを持っています。なのにも関わらずくすみが現れているということは何かしらの不具合や原因が存在しているということになります。
肌は日々、常にターンオバーを繰り返し新しい皮膚が生まれています。また、肌には非常に多くの毛細血管がある為、基本的にはほんのり赤味がある健康的な色を呈するのが一般的です。しかし、血流量の低下や代謝不良などにより老廃物や代謝物質が蓄積されていくと、青味や黒味がかったくすみが現れてしまうのです。
では、黄くすみは?
ここから本題である肌が黄色くなったように見えてしまう黄くすみに触れていきましょう。
上記でも触れたように、くすみの原因は血流不良や代謝不良が主な原因となります。しかし、この二つの原因から現れるくすみは青味や黒味がかったくすみであり、黄色ではありません。黄色のくすみの正体は真皮層にあるたんぱく質(コラーゲン等)が変性した色。そしてこれこそがカルボニル現象と言われるものなのです。
タンパク質の変性と聞くと糖化現象をイメージされた方も多いかもしれませんが、この黄くすみを引き起こすたんぱく質変性は糖化現象とは少々異なります。糖化現象はタンパク質と糖が結合しておこる変性を言います。糖化による変性でもタンパク質の低下が起こり、真皮層内の保水性や弾力性の低下、しわ、たるみを引き起こす要因です。
対してカルボニル現象はタンパク質と脂質が結合されることで引き起こされる変性であり、その機能低下という面よりも色味変化の方が強く現れます。
黄くすみ原因は紫外線の影響が大きい
紫外線と聞くと肌が黒くなる、シミができるというイメージが強いですが、このカルボニル現象を引き起こすのもまた紫外線の影響が大きいのです。資生堂と防衛医科大学の行った研究では紫外線を浴びた真皮層と浴びていない真皮層ではカルボニル化タンパク質が多く発見されるというデータもでています(資生堂と防衛医科大学 皮膚科医との共同研究参照)。
このカルボニル化タンパク質は真皮層の上部で発現されることが多いとされています。我々の肌がターンオーバーするのは表皮(0.2mm)だけであり、その下にある真皮層は数年単位で代謝されます。つまり、シミや日焼けは紫外線を表皮が感知して現れる為、比較的早く紫外線の影響が現れます。しかし、真皮層内で起こるカルボニル現象は徐々に症状が現れるため、そういえば最近…といった具合に「いつのまにか黄色味が強くなった」というのを感じるわけです。
黄くすみは基礎化粧品ではとれない?
この黄くすみは真皮層内でのタンパク質変性になるので、ドラッグストアなどで手に入る基礎化粧品では改善することは困難です。基礎化粧品は表皮の角質層(0.02mm)までしか浸透させることができない為、真皮層内まで影響をだせるのは物理的に難しいのです。肌のお手入れをする過程でマッサージ効果が生まれれば血流不足によるくすみはある程度解消されるかもしれませんが微々たるものであり、根本的な改善には至りません。
真皮層まで影響をだすことができれば改善は可能
表皮以下の真皮層までアプローチすればよいのですが、真皮層へのアプローチは美容医療領域の話であり、エステサロンやセルフケアでは難しいのが現状です。キャビテーションやラジオ波であれば真皮層や皮下組織までアプローチできますが、消費者センターにあげられている事故を見る限り逆にスキントラブルが多いことが多いのでむやみやたらに行うというのも賛同できません。
美容鍼は真皮層の代謝をあげる
美容医療の中でも副作用やリスクがほとんどない美容鍼ならば、直接真皮層にアプローチすることができ、カルボニル化タンパク質が改善される可能性も十分高いと言えます。またハリウッド式美容鍼灸では肩や腰といった全身の治療も行い顔だけでなく全身の血流量をあげることができるので1度の施術だけでも大きな改善を感じることができるでしょう。
顔だけの鍼では微妙
ただし、美容鍼すべてで改善されるというものはありません。世の中には顔だけの施術しかしない美容鍼灸も存在します。顔だけに鍼を打っても代謝量を高め、血流改善させることは可能ですが、土台である身体の血流が悪ければその効果も不十分なものになってしまいます。顔の血流が悪ければ身体の血流も悪くなっているからです。仮に顔だけの鍼で変化が起こったとしても一時的な物であり、すぐに元に戻るという残念な結果となってしまいます。
普段からの紫外線ケア、血流改善が大事たまに美容鍼
くすみということで考えればやはり普段からの紫外線ケアが最も大事なります。紫外線は黄くすみだけでなく、日焼けやシミ、たるみ、ニキビの原因になるなど多くのスキントラブルの原因になりますので季節を問わず徹底した方が後悔しません。基礎化粧品などでのケアはくすみに対してあまり効果があるとは言えませんのでくすみを改善するという意味では美容鍼やレーザー治療などの美容医療を定期的に受けた方が良いと言えるでしょう。むしろ過度なスキンケアを行ってしまうと、肌への摩擦で負担が増えてしまい色素沈着性の黒ずみが現れることも少なくありません。スキンケアの基本は極力触らないこと。これが原則です。安易な気持ちで間違ったケアに手を出すよりもまずは専門家に相談して適切なケア方法学ぶのがおススメです。
美容鍼灸王子® 井上
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